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2016年1月4日月曜日

繰延税金資産

~腹に入らない~


 年末年始、中島誠之助さんの「真贋のカチマケ」という本を読んでいました。とてもおもしろい本で、じっくり読んでしまいました。

 勢いで昨日、もう20年以上前に発行された「古美術緑青」という雑誌の、酒器特集号をネットで探し、オークションで落札しました。600円。アマゾンや古書店では、どこも約3,900円でした。なんだか得した気分です。

 中島さんがおっしゃるには、最後は感覚的なもので、「腹に入るかどうか」だといいます。なるほど、感性の世界ですね。どうもしっくりこない感じを「腹に入らない」というのだそうです。

 以前、クライアントの上場会社の経理担当取締役だった方が、我々監査人の意見に対して、「腹に入らない」ということをよくおっしゃっていたのを思い出したのですが、この言葉はあまり日常生活では使いませんね。「腑に落ちない」はよく使いますけど。

 普段生活していくうえで、「ワシはどうしても腹に入らない(納得できない)!」ということがあったとしたら、プライドをかけてとことん戦うべきですが、そうでなければ、軽く受け流しましょう。

 「あぁ、んだすか」あるいは「ほぉ~そうかね」などと言って。

 でなければストレスがたまりますからね。

 今朝ネットを見ていたら、ASBJが「繰延税金資産」のルールを変更したことについて、「企業に甘く?」という見出し付きで出ていました。

 私は秋田に移住してしまったので、もう繰延税金資産とは縁がなくなってしまったと思っていたのですが、急遽そうではなくなってしまいました。


 改正された内容を解釈すると、確かにそうとられてもおかしくないのでしょうが、「前のルールよりも進化したのだ」ともいえる内容です。

 でも、1年先のことがわからないような不確実の現代社会において、5年後あるいはそれ以上先の業績予測の説明が、どんな説明だったとしても、はたして説得力があるといえるのかどうか・・・。繰延税金資産とは、あいまいな資産です。

 それに、新しいルールの適用時期はどうなんでしょう。

 これだけ企業業績に大きな影響を及ぼす可能性のある改正が、昨年末にあわただしく公開されたのであれば、本来であればいくら早くても、来年度決算の第一四半期から適用というのが普通だと思うのですが、すでに第三四半期まで旧ルールで決算を組んでいるにもかかわらず、わずか3か月後の今年度の決算から「早期適用」が可能だといいます。

 私がとやかく言うことではないのですが、個人的な感性として、腹に入らないです。