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2016年1月10日日曜日

草マルチ

~決裂した常務理事会~


 私もそうですが、堆肥研究家も今年の年賀状に、「スギちゃんとのツーショット」の写真を印刷しました。その年賀状を受け取ったある方の反応が面白かったです。

 「隣にいる越麻呂さん、ずいぶん昔と雰囲気が変わったね」

 隣にいるのは私ではなくて、スギちゃんですって!だって、全然似てないでしょ。

 さて、昨年の11月と12月は、本業のほうでどうも欲張ってしまったようです。なんだか知らないけれどとても忙しく、まるで監査法人時代に戻ったような錯覚を覚えたくらいでした。いけませんね。

 秋田に移住して何をしたかったのか、もう一度原点に立ち返りましょう。

 さて、エスペランサ村の畑の成功要因をもう少し分析してみます。

 畑に野菜の苗を植える際に迷ったのは、畝に「マルチ」を敷くかどうかでした。マルチというのは、よく畑の畝を覆うようにかぶっている、ビニールシート・・・のようなものです。マルチに直径10センチくらいの丸い穴が空いていて、そこに苗を植えるわけですね。

 畑に関する本を何冊か読んだのですが、ほとんどマルチを敷くと書いてあります。マルチを敷くことによって、

・水分が抜けない
・土に保温性が保たれる
・そしてなんといっても「雑草が生えるのを抑えることができる」

 というメリットがあるのです。

 特に広い畑の場合、雑草対策が大変だといつも周りから言われていたので、私はマルチは必要だと考えていたのでした。

 ところが、堆肥研究家は、「マルチはやらない」と言い張ります。

 まぁマルチを敷くと、確かに見た目がよくないので景観を損なうし、使用した後の処分が大変であるというのはよくわかります。

 でも、超初心者の私たちにとって、マルチを敷くほうが、確実に野菜を育てるには好都合だし、雑草対策はどうするという問題もあります。

 いろいろ話し合ったのですが、お互い自分の意見を主張すると、なかなか妥協しない二人です。結局私がこだわっている「エダマメ」にはマルチを敷き、それ以外はマルチはやらないという、お互い意地の張り合いで常務理事会は決裂したのでした。

 堆肥研究家が考えたのは「草マルチ」でした。いったいどこでこんなアイディアを見つけてきたのだろうか。


 ちょうど5月に入ってくると草が伸びてくるため、刈払い機を導入して一回目の草刈りを行います。

 刈った草はそのままにしておくと枯れるので、ちょうどいい土の栄養分になるのですが、堆肥研究家は刈った草を両腕に抱えると、畑のほうに持ってくるではありませんか。草はたくさんあります。例によって何往復もします。

 そしてその枯草を、畝に植えた苗の周りを囲むようにして置いておくのです。「草マルチ」です。


 
 草マルチを敷いて何日かした後、畑に水を撒くと、草マルチに隠れていたおびただしい数のクモが、わらわらと動き回ります。クモたちにとってみれば、カラスたちの格好のえさになるところを、草マルチの間に隠れているので助かるわけです。そして、野菜にとっては天敵となる害虫を食べてくれます。

 これはいいですね。

 さっそく私も、枝豆の苗に草マルチを敷いたのでした。

 いいと思ったものは、素直に認めてしまえばいいのです。