カテゴリリンク

2015年2月8日日曜日

無料相談会

~大きかったテレビの影響~


 昭和63年から平成18年までの間も、名古屋で税理士登録をしていました。監査法人がまだ兼業にそれほど厳しくなかった頃です。実際には仕事が忙しすぎて、とても税務はできませんでしたが、それでも年一回の無料相談会だけは、休まず参加していました。


 名古屋での無料相談会は確定申告の期間中に行われていたのですが、こちらでは確定申告期間前に始まるようです。2月6日が初日で、私も相談員として行ってきました。


 会場には朝早くから大勢の方が集まっていたので、気持ちが引き締まります。相談会が始まると、今度はテレビカメラが入ってきました。どうやらNHKのようです。お昼の「ニュースこまち」で取り上げるのでしょう。


 テレビカメラは、最初私の目の前に固定されました。NHKのカメラマンが、相談者に話しかけます。どうやら私のところの相談の様子を撮影したいようです。


 「すみませんが、顔は映しませんので、後ろから映像を撮らせてください」


 私は、テレビに映ると宣伝にもなるので、「大いに撮ってください」と言いたかったのですが、相談する立場になると話は別です。必死に確定申告書に記載していた相談者は、


 「俺は今それどころじゃないんだよ」


 とNHKのカメラマンを一蹴します。それはそのとおり。相談の様子をテレビに放映されたのではかないません。カメラマンは平謝りで、私のところから去って行ったのでした。


 夕方の「ニュースこまち」でも無料相談の様子が放映されていたので、私も見たのですが、私が映っていたのはほんの少しの時間だけでした。残念。


 お昼のニュースの影響もあってか、午後からはさらにたくさんの方が相談にきました。結局9時から16時まで、ほとんど休みなしでの対応です。


 事前に、資産税の相談は無しと聞いていたのですが、所得税の相談の後、追加でいろいろ訊いてきます。「相続税」の話や「住宅資金の贈与」の相談、それに「不動産の譲渡所得の税金」など様々です。いずれの相談も、税理士にとっては「基本の基」の相談でしたので、そつなく答えることができ、ほっと一息です。


 そういえば、我が人生、NHKさんとはずいぶんご縁があるのですが、それにしてもテレビの影響は大きいですね。


 もう十数年前でしょうか、私が東海会の広報委員長をやっていた時、たまたま巡り合わせで1年間だけ「名古屋自由業団体連絡協議会」の責任者をやることになりました。公認会計士や税理士・弁護士・司法書士等いわゆる「士業」の10団体から成る組織です。


 年に一度これらの団体の先生方が一同に集まって、名古屋三越で大規模な「無料相談会」を開催するのですが、その責任者だった私は、開催当日訪れたNHKのアナウンサーに、テレビカメラが回っている最中、いきなりマイクを向けられて質問されたのでした。


 何とかそつなく答えたのですが、その様子がお昼のNHKニュースで放映されたらしく、その後が大変でした。午後から相談者がひっきりなしに訪れます。結局、相談者数は、それまでの過去の人数を大幅に上回ったのでした。


 その後も、友人やご近所の方から「テレビで見たよ」と何度も声をかけられる始末。テレビの影響の大きさを、改めて認識したのでした。


 私が名古屋で監査法人に在職していた期間のうちの数年間は、事務所は名古屋駅前のシンボル的存在だった大名古屋ビルにありました。その大名古屋ビルが取り壊されることになったとき、この歴史的な出来事について、NHK名古屋が特番を組むことになりました。


 監査法人の事務所は、大名古屋ビルの最後の退去者ということで、NHKから取材の申し込みがあり、当時NHKと縁があった私が、インタビューを受けることになったのです。せっかくの特番ですので、気の利いたことを話そうと思い、話す内容もいろいろ考えていました。


 ところが、インタビューを受ける当日の朝、事務所の方針でインタビューはキャンセル。ドタキャンされたNHKさんは、納得いかなかったでしょうね。


 話そうと思っていたことは、もちろん単なる個人的な思い出話なのですが、テレビの影響が大きいということなのでしょう。