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2015年1月22日木曜日

固定資産税評価

~地域の特性~


 不動産を取得すると、固定資産税がかかります。不動産取得税と異なり、毎年支払わなければならないので、結構負担になります。億単位のお金を投入して豪邸を建てたものの、固定資産税が払えなくて泣く泣く手放した・・・という話も耳にしたことがあります。相続の時も、家屋は固定資産税評価額となるため、高く評価されると負担が増しますので、注意しましょう。


 私の場合、初めて固定資産税を負担することになったのは、16年前に名古屋にマンションを購入した時でした。その際は、名古屋市の職員が固定資産税額を算定するためにマンションに来るといったことはなかったのですが、決定した評価額は納得のいくものでしたので、賦課決定された金額を支払っていました。


 さて今日、村の集会所の家屋の評価をするために、役場の方がいらっしゃいました。事前に専門家や経験者・業界の方々からいろいろ話を聞いていたのですが、通常来る人数は1~2人、時間は15分から30分くらいかけて調べていくということでした。まぁそうでしょうね。


 村の集会所の評価に来たのは、3人でした。そのうちのお二人は、すでにエスペランサ村の土地の評価の際にお会いしていた方でしたので存じ上げていたのですが、もう一人は若い人でした。その人は名前は名乗りませんでした。


 若い人は、家に入るなり私に質問します。


 「インターフォンはどこですか?」


 私は、なんでインターフォンなのか疑問に思いながらも、役場の方に敬意を表して案内します。すると若い人は、インターフォンをあちこちさわりながら私に尋ねます。


 「録音機能は付いていないのですか?」


 「はぁ?」


 インターフォンに録音機能がついていると、固定資産税評価額が大きく異なるのだろうか?後で調べてみましょう。


 その若い人は、「あっ、忘れてた」とつぶやくと、リビングから廊下をどすどす歩いて行って、ドアを大きな音を立てて開け閉めしています。私の口から、戒めるための言葉が出かかりましたが、ぐっと腹の中に呑み込みました。


 その若い人は、あちこち部屋をのぞいては


 「居間は真壁、あそこは大壁、ここも大壁、大壁・・・」


 とつぶやいています。若い人は、どうやら大壁かどうかのチェックが任務だったようです。大壁なら固定資産税評価額が高くなるのでしょうね。


 大壁の人(名前を名乗らなかったので)は、こんどは台所に入っていきました。何をしているのかと思っていたのですが、今度はシステムキッチンの幅と奥行きを測っているようです。システムキッチンの長さが、固定資産税評価額に大きく影響するのだろうか?後で調べてみましょう。


 今度はトイレです。トイレに入るなり聞かれました。


 「トイレに換気扇はありますか」


「・・・???」


 そういえば、今朝、役場の方々がいらっしゃる前にトイレを使用していたので、においがまだ残っていたのだろうかと、一瞬ドキッとしたのですが、そういうことではないようです。換気扇が見当たらなかったので、私は思わず


 「窓を開けて換気しています」


 と答えます。トイレに換気扇があるかどうかで、固定資産税評価額に大きな影響を及ぼすのだろうか?後で調べてみましょう。


 この建物は古材を使っているのですが、古材を使うと固定資産税評価額を下げる調整をします。役場の方々は、当然わかっていただけているはずですが、私は一応それとなく念押しします。


 一番驚いたのは、写真を撮った枚数でした。とにかく写真、写真、写真です。ウォークインクローゼットの中も収納庫の中もさらには食品庫の中や押し入れの中で・・・。さすがにこれにはびっくりです。固定資産税評価額に関するところを数枚撮っていくのなら、まぁしょうがないかなと思うのですが、これほど数多くの写真を撮る必要があるのだろうか。今度は「プライバシーの侵害」という言葉が頭の中をよぎります。


 結局、調査時間は1時間を超えました。後で別の市町村の専門家数人に聞いてみたのですが、「地域によってはいろいろあるが、そこまで念入りに調べるというのはあまり聞いたことない」ということでした。「地域の特性」ということなのでしょうか。


 調査のやり方が「地域の特性」なのか。こちらは後で地域の人たちに問い合わせてみることにしましょう。