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2014年9月30日火曜日

栗の木を救出せよ!

~にせアカシアとの戦い~
 

 エスペランサ村は7~8割方更地なのですが、奥のほうに行くと、そこは雑木林となっています。雑木林には、「山桜」「栗の木」などが生えているのです。写真の中央が栗の木です。


 いつもは遠くから眺めているだけなのですが、今回の草刈りで栗の木の近くまでたどり着くことができました。それで、思い切って雑木林の中にまで入っていったのですが、そこは全く別世界でした。

 下から大きな栗の木を見上げてみます。

 
 写真を取ったときは曇り空だったので、うまくあらわすことができないのですが、青天のときは栗の木の葉のあいだから木漏れ日が降り注ぎ、まるで湯布院の「玉の湯」「亀の井別荘」の近辺のような雰囲気です。この景観を見過ごすことはできません。絶好の安らぎスポットです。
 
 
 ところが、雑木林の地面一帯は笹に覆われ、栗の木の手前には「にせアカシヤ」がはびこっています。これは幹から枝まで全身トゲだらけの強敵です。そのうえ、栗の木の周囲には孟宗竹が進出して栗の木の領域を浸食しようとしていました。何とかしてあげましょう。
 
 
 さっそく堆肥研究家が、刈り払い機をかついで、竹やぶの中に入っていきます。手前には、私がのこぎりで切り倒したにせアカシヤの木が何本も倒れています。大丈夫だろうか?
 
 
 
 竹に覆われた狭い中で、刈り払い機を使うのは危険ですが、堆肥研究家はひるまず突き進み、どんどん笹を刈り取っていきます
 


  しばらくすると、栗の木の全容が現れてきました。
 
 
 問題は、切り倒したにせアカシヤの置き場所です。にせアカシヤの鋭いトゲトゲは、油断するとすぐに手やふくらはぎに突き刺さってきます。あぶないので、敷地の端っこにまとめておくことにしました。
 
 
 堆肥研究家は、おもむろに切り倒したにせアカシヤの木に近付き、
 
 
 グイッとニセアカシヤの木の幹を持ち挙げると(分厚い皮の手袋をはめています)、
 
 
 村の境界に向けて、引きずりはじめました。
 
 
ずるずるずるずる・・・
 
 
堆肥研究家が、夕闇迫る中、だんだん遠ざかっていきます。ずるずるずるずる・・・


「シェ~ン!カムバァ~ック!!」

 
映画のラストシーンを思い出しました。
 
 
 



2014年9月29日月曜日

所属地域会の変更

~出席できない顧問相談役会~

 私の名古屋の友人、公認会計士のIさんからメールがありました。みんな私に会いたがっているということでした。「去る者は日々に疎し」といいますが、こういうメールはうれしいですね。温かい気持ちになりました。11月にお会いしましょう!


 さて先日、これからお世話になる県の、公認会計士協会の県会長から電話がありました。女性の公認会計士でした。また、東北税理士会からも連絡がありました。所属地域会がいよいよ変わってしまったなと、改めて実感してしまいます。


 それとほぼ同じ時期に、東海会から「顧問相談役開催のご案内」が送られてきました。引っ越しの際、郵便局に郵便物の転送届をしていたため、タイムラグがあってから届きます。


 東海会の場合、会長経験者は、過去の例からすると全員なくなるまで顧問であり続けています。私はまだこの通り元気なので、自分から辞退しないかぎり東海会の顧問であり続けたのでしょうが、所属地域会が変わってしまうため、引っ越し前に「顧問は辞退する」旨を伝えました。おそらくこんなケースはこれからもないでしょう。


 心配なのは、長年続いてきた顧問相談役会です。私の前の会長だった前川先生は、もうすでにお亡くなりになりました。高齢化も進んでいるため、私が離れてしまうと、実際に出席できる顧問の先生は限られてきます。有効に機能するよう、お願いしたいです。


 東海会の場合、会長経験者が顧問となり、叙勲を受けた公認会計士が相談役を依頼されます。基本的には皆さんお引き受けするのですが、特に任期はないため、いったん引き受けると、それこそお亡くなりになるまで続きます。私の持論は、一期か二期くらいでいいと思うのですが、この伝統はなかなか変わりません。


 私はもう東海会を離れてしまいましたが、難しい問題だと思います。


2014年9月26日金曜日

草の海

~刈り上げ式~

 作家の椎名誠さんの小説に『草の海』というのがあります。モンゴルのことを書いた小説です。モンゴルは都市部を離れると、一面草におおわれているらしく、草が風になびいている草原が、あたかも海の波のように見えるのでしょうね。


 8月下旬にエスペランサ村を訪れたとき、その小説を思い出しました。その後、拙ブログの「プロの仕業」にも書いたように、敷地内の一部はきれいに刈り取られていましたが、それ以外は村の集会所の建築現場を除き、背丈ほどの草におおわれています。私たちが草を刈らなければならない面積は4千坪くらいでしょうか。板塗り作業を終えてから、3人体制で取りかかってきました。でも、想像以上に大変でした。


 Fさんに助っ人として手伝ってもらっているとはいえ、もちろん毎日お願いするわけにはいきません。堆肥研究家は草刈りを面白がっていましたが、刈り払い機を操縦している間は右手でレバーを引きっぱなしです。

  どうやらやりすぎて、親指を痛めてしまったようです。また、興味津々で素手でつる植物に触っていたところ、指にとげが刺さってしまい、取れなくなってしまいました。大変です。


 仕方がないので、私だけで草刈りをおこなうことが増えてきたのですが、私も手足のしびれという持病を抱えていますので、30分続けると手がしびれてしまいます。したがって休憩を十分取りながら、2時間くらいを限度にせざるを得ません。実際は面白すぎて、昨日など4時間やってしまいましたが。


 私の場合、勝負するところは、おもに難攻不落と思われる、草が密集して山のようになっているところです。例えばこんなところ。



 そのほうが、「ガチンコ勝負」でやりがいがあります。もちろん当然力が入ります。草が絡まって、刈り払い機の動きが鈍くなってくると、力ずくで刈った草を払いのけるのです。刈り払い機の刈り払い機たる所以が実感できました。


 ただ、草が密集していると、草の下のほうのようすがわからないので危険です。高速で回転している刈り払い機の刃が、大きな木の幹にあたるときがあり、手に「がくん」と大きな反動が伝わります。そんなときは、焼け焦げたようなにおいがして、嫌な気分になります。今日なんかは、バケツぐらいの大きさの金属の缶にあたってしまい、危なかったです。刃は大丈夫だったろうか。


 また、刈り払い機のあたりどころが悪いと、刈り払い機が大きくふり払われてしまいます。これを「キックバック」というのですが、大変危険です。いくら広いとはいえ、近くに人がいると危ないので、いつも周りに目を配りながら作業しなければなりません。名古屋にいる間に、コマツの教習所で正式に刈り払い機の研修を7時間受けておいてよかったです。


 会計的には、「キックバック」というと、リベートなど何やらお金が返ってくることをいうので、ある面うれしい用語ですが、草刈り的にはあまり経験したくない言葉ですね。


 ということで、私も手のしびれのほか、最近肩や腰が慢性的に筋肉痛になっていました。エスペランサ村のご近所の人からも「よく頑張りますね」と、半ばあきれれられているのですが、何とかめどがついてきました。


最初はこんな感じでしたが、


 ここまでたどり着きました。


 まだ、「そり残し・・・」じゃなかった、刈り残しも少しありますが、まぁいいでしょう。今日はいつもの美味しいラーメン屋で「刈り上げ式」「です。


 それにしても、ワシら「よくやるよなぁ」と、自分でも呆れかえっているのでした。


2014年9月24日水曜日

古材見学

~使いたい古材いろいろ~



 十数年前から、もし家を建てる機会があったなら、古民家風の家を建てたいと考えていました。そこで、例えば「別冊太陽」をはじめ、古民家の特集が掲載されている雑誌や本を、ひたすら買い集めて眺めては、ため息をついていたのです。


 そして、たまに休日を利用して温泉に行く機会があると、平瀬温泉「藤助の湯 ふじや」湯布院の「無量塔」鹿教湯温泉「三水館」等、古民家風の温泉宿をよく利用していました。


 温泉以外でも古民家を見つけると、進んで見学に行きます。山形県の国道7号線を通れば「旧青山邸」を見に行き、新潟の道の駅「朝日村」に立ち寄れば、その裏に移築されている古民家を見学します。高山に行ったときには、その通り沿いに古民家をみつけて立ち寄り、さらに秋田に行ったときには、古民家とケヤキの木のある土地800坪ほどを、丸ごと「譲ってください」と不動産会社に交渉をお願いしたりもしていました。


 ただ、ある時気がついたのですが、あまりにも古民家を前面に押し出すと、それはそれで疲れてしまうのですね。それに、古民家を移築するには大変なコストがかかってしまいます。理想は、多治見にある「ギャルリ 百草」でした。今年の6月、このお店を訪れたときには、移築にあたっての苦労や庭づくりのことなど、くわしくお話を伺うことができ、大変参考になりました。


 今回、村の集会所を建設するにあたっても、当初からある程度古材を使いたいという希望がありました。でも、古材がそんなにタイミングよく出てくるものかどうか、仮に出てきたとしても予算的に使うことが可能かどうかが課題だったのです。


 古材を使いたいということは、あらかじめ設計家のNさんにお伝えしていたのですが、どうやらNさんの知り合いには、古民家を解体した時に出てくる古材を、ストックしている業者があるようです。さっそく行ってみることにしました。


 Nさんのアトリエで待ち合わせ、車2台で出かけます。途中まで快適に走っていたのですが、やがて細い道に行き当たりました。ここで、私たちはNさんの車に乗り換え、道なき道というか、車の前に立ちはだかるススキをなぎ倒しながら、進みます。300mほど走ったでしょうか、車は古材置き場に到着したようです。


 古材は野ざらしにされることなく、屋根の下にきれいに積み重ねられていました。堆肥研究家が興味深そうに古材置き場を眺めています。



 古材に番号が振ってあるところを見ると、きちんと管理されていて、棚卸をしているのでしょう。久々に会計士としての血が騒ぎます。



 いろいろ見てみると、いい古材がたくさんあるではないですか。この曲がったやつなんか、なかなか絵になりますね。ほしいです。



 それに、これなんかすごくいいです。譲っていただけないだろうか。


 それにこんな感じのやつも。



 手斧でけずったあとがあるのは、江戸時代に使われた木材の証のようです(下の写真の真ん中の古材)。これもほしいですね。

 
 
 村の集会所に使う予定の古材は、10本くらいだそうです。
 
 
 これらの古材は、おそらく洗って磨いて塗装するのだと思いますが、磨かせていただけるなら、磨いてみたいものです。






2014年9月23日火曜日

ネット環境の整備その2

~達人でどうか?~

 仮住まいのところは、ネット環境が整備できたので、こうしてブログもアップすることができているのですが、一方、私が「のきぜり」状態となっている会計事務所も、ネット環境を整備しなければならないようです。


 いま税理士事務所として登録している場所は、県庁所在地にあるのですが、どうもその税理士は高齢のためか、事務所をこれ以上大きくしようという野心はないようです。新しい仕事を依頼されても、もう年だからといって断るし、あるいはほかの税理士を紹介してあげているいるようです。もったいないですね。それならば私がやってあげましょう。


 ということで、まずは事務所のネット環境を整備しなければなりません。

「せっかく県庁所在地に税理士事務所として開業しているにもかかわらず、インターネットを使えないというのは、いかがなものか」

 という私の提案を、K税理士は快く受け入れてくれました。さっそく工事を行います。


 続いて、会計ソフト・申告書作成ソフトです。

「せっかく県庁所在地に税理士事務所として開業しているにもかかわらず、会計ソフトもないというのは、いかがなものか」

 こちらは残念ながら却下されました。自分で導入しましょう。


 まだ今のところ顧問先もないし、エスペランサ村の開村に向けて忙しい日々を送っていますので、なかなか両立するのが難しい状況です。でも、だからといって仕事が入ってきてから会計ソフトを導入していたのでは、とても間に合いません。兼業農家ではありますが、本業の準備もしなければならないのです。


 この地では、冬になれば、もう農業関係の活動はあまりできなくなるでしょう。でも、税理士としてはこれからが本番です。12月は年末調整で忙しいでしょうし、2月には確定申告が始まります。本業と農業で、せっかく1年間満遍なく稼働することができる恵まれた環境にいるのです。今のうち、会計ソフト・申告書作成ソフトを決めておきましょう。


 会計ソフトは「弥生会計」等いろいろあるようですが、以前「会計王」を使っていたことがあります。使い慣れているため、これにしようかと思っていました。また、申告書作成ソフトも「魔法陣」とか「JDL」などさまざまです。でも、どれがいいのか全くわかりません。


 そこで登場してきたのが、「怪し税理士」です。怪しい税理士は、専門家としての腕は超一流です。話を聞いてみましょう。


 彼が言うには、断然「達人」がいいと言います。もう30年以上使っていて、PC一台とネット環境さえあれば、自宅だろうが顧問先だろうが、どこでも仕事ができるそうです。しかも、HPには記載されていないのですが、税理士専門の会計ソフト・申告書作成ソフトが用意されているようです。毎月の支払いも、思っていたより安いです。


 
 フットワークの軽い怪しい税理士は、もう私のために資料を取りそろえているのでした。


2014年9月21日日曜日

上棟式

~進む集会所の建設~



 私と堆肥研究家が板塗りや草刈りに夢中になっている間も、エスペランサ村では集会所の建築が進んでいます。建築着工のときには名古屋にいたため、地鎮祭を行うことができませんでした。残念です。したがって、「上棟式」は是が非でも行わなければなりません。


 「上棟式」というのは、柱が立ちあがって、大工さんが「さぁこれから」という時に行うものだと思っていたのですが、私が板塗りを行っている間に、柱がもう立ち上がっていました。屋根もどんどんできてきます。


 はて?またしてもタイミングを逸してしまったのだろうかと心配になったのですが、上棟式というのは、屋根が板でおおわれて、雨が降っても中が濡れなくなった段階で行うのだそうです。安心しました。
 
 
 この上棟式の準備がまた大変でした。なにしろはじめてのことなので、どうやったらいいのか、何を用意したらいいのか、まったくわかりません。また、この地方独特のしきたりもあるようです。近所の住人にいろいろ教えていただき、建築会社の方と相談し、ネットでいろいろ調べ、あたふた駆けずりまわっている間に、当日を迎えてしまいました。
 
 
 上棟式の中盤、神主さんの大きな発声に続いて、棟梁が「お~っ!!」と声を張り上げ、金槌で板を思い切り叩きます。それを3回繰り返しました。すごい迫力です。
 
 
 
 そして上棟式も無事終了。〝施主の挨拶〟を考えていたのですが、残念ながら出番はありませんでした。がくっ!。
 
 
 お供え物は、神主さんが持っていくものと思っていたのですが、「鯛を持って行きなさい」と言われました。地元で今朝あがったばかりの大きな真鯛です。
 
 
 「持っていきなさい」と言われても・・・と思ったのですが、「必殺魚調理人」としての血が騒ぎます。持ち帰って自宅で三枚に下ろし、刺身にして半分を仮住まいの大家さんに贈りました。残りの半分は自分用です。自分でさばいた鯛の刺身を肴に、とっておきのお酒「〆張鶴金ラベル」で一杯やります。
 
 
 ひと山越えました。
 
 
 

2014年9月19日金曜日

赤とんぼは見ていた

~炸裂する刈払い機~


 私がゴルフの賞品稼ぎに出かけている間、堆肥研究家は、私がプレゼンを行った家の御主人(Fさんです)と一緒に、草刈り機を持って草刈りに行っていました。


 Fさんには、外壁の板塗りも手伝っていただきました。Hさんがエスペランサ村の相談役だとするなら、Fさんは村にとっては最初のサポーターです。村人の一人といってもいいでしょう。


 草刈りから帰ってきた堆肥研究家は、さかんに「疲れた~」と言っています。30分ほどやって休憩し、トータル2時間までを厳守する約束ですので(実際は約束を無視して3時間くらいやったようです)、そんなに疲れるはずはないと考えていたのですが、やはり女性だし華奢な体つきなので、きついのだろうなと同情してしまいます。でも「面白くてやめられない」とも言っています。


 そうこうしているうちに、追加で予約していた刈り払い機が入荷しました。これからは刈り払い機3台で挑戦です。


 せっかく堆肥研究家が、草刈りは楽しいと言うので、どんな様子でやっているのかと思い、写真を撮ってあげることにしました。近付くと危ないので、少し離れた距離から様子を見てみます。

 おっ!やってるやってる・・・えっ!・・・でも・・・それって?・・・。

 私は思わず絶句してしまいました。


 ちなみに、由緒正しい刈り払い機の使い方は、こうです。



 堆肥研究家は、草刈り機を抱えて大きく振りかぶると・・・力いっぱい刈払い機を振り回しました。

 

 そして再び反動をつけて、刈り払い機をぶん回しています。


 おお、なんということでしょう。そんなやり方では疲れるのは当たり前です。そういえば、私もFさんも、堆肥研究家に刈払い機の使い方をまだ教えていないのでした。いやはや、すまぬすまぬ。


 刈り払い機の基本的な扱い方をFさんから教えていただいた堆肥研究家は、使い方をすぐ呑みこむことができたようです。一気にさまになってきました。



 もうだいじょうぶでしょう。

 そばでは赤とんぼが、「よく頑張るよなぁ~」と、ほほえましく見ていたのでした。

 
 
 ちなみに堆肥研究家がかぶっている帽子と銀色のベストは、教師を辞めたときに、担任していたクラスのお母様方からプレゼントされたそうです。名古屋仕様の農作業グッズではりきっています。


2014年9月17日水曜日

今後の戦略

~草との戦い~

 いよいよこの土地を、本格的に開墾するステージに突入することになりました。まずは草刈りをしなければなりません。鬱蒼と生い茂った草をどのようにして刈ったらいいのだろうか...やり方としては4つの方法がありそうです。


①「草刈り鎌」でやっつける・・・以前、堆肥研究家が、柿の木の周りのしぶとい草を鎌で刈ってしまった方法です。

②刈払い機を使い、人力でこつこつ勝負する。

③自走式の草刈り機で、少し楽をさせていただく。

④トラクターを用いて、短時間で力ずくで攻撃する。


 ①はもちろん、これだけ広いと、ちょっと無理です。③も、草の背丈を考えると、今の段階では無理でしょう。一旦草をきれいに刈り揃えた後なら使えそうです。そうすると、②か④ですね。どちらがいいだろうか。


 エスペランサ村内を散歩していると、近くで何やら機械音がします。さっそく行ってみたら、トラクターを使って作業をしているではありませんか。興味津々で見ていたら、トラクターに乗った人がエンジンを止めて、私のところに近寄ってきました。

 「なにしてらすか?」

 私はさっそく声をかけます。私は標準語のほかにも、各地の方言を操ることができるのです。

 「草刈ってらでゃ!」

 「トラクターで草刈ることでぎるんだすか?」

 「んだ。こいだば座って刈れるがら、楽だや」

 「あ~、んだすか」


 いろいろ会話がはずみます。ご近所なので、これからいろいろ教えていただきましょう。


 会話の中でわかったのは、どうやらトラクターというのは、用途が広いということです。後ろに取り付ける機材を替えることで、いろんなことができるようなのですね。乗ったままで、草刈りはもちろん耕耘機のように土を耕すこともできますし、畑の畝を作るのも得意です。私の中で、急速にトラクターのイメージが膨らんできました。でも、投資金額が大きいので、ちょっと躊躇してしまいます。悩ましいです。


 翌日、ランクルにのったHさんが私のそばを通りかかりました。Hさんにお会いするのはしばらくぶりです。せっかくですので、私が今まで悩んでいたことをぶつけてみます。


 「この広大な土地をどうやって開墾したら、立派な土を作ることができるのか」。


 ここでうまくいかなかったら、後はいくら果樹の苗木を植えようが野菜の種を蒔こうが、失敗してしまうでしょう。私は提案します。


 「この際トラクターを使って開墾し、いい土を譲っていただき、さらにその上から堆肥を20~40トンくらい投入して、鋤き込むというのはどうでしょうか?」


 私としては、大胆な提案をしたつもりでしたが、Hさんの意見は違っていました。Hさんの考えはこうです。


①まず前提として、ここの土はいい土である。

②9月中に草をきれいに刈ってしまう。トラクターだとこれだけ深い草は厳しいので、私はいつも刈払い機で刈っている・・・あなたたちが刈払い機でやってみてうまく出来なかったら、上手な人を紹介してあげる。

③10月に入ったら、大型バックホーで土を深く掘り、いわゆる「天地返し」を行う。いいレンタル業者を紹介してあげる。日数単位で借りると高くつくが、1ヵ月単位で借りると安くつく。トラクターでは深く土を掘ることができない。

④11月くらいに堆肥を投入して、鋤きこむ。

⑤冬になって雪が積もると、雪の重さで堆肥が土に溶け込んでいき、春になるといい土になっている。


ということでした。そして、最後につけくわえます。

「バックホーを操ることができると、面白くてやめられなくなるよ!」

そう言ってHさんは、にやりと笑うのでした。

私の頭の中で、今度は「バックホーで天地返しをしている」姿が駆け巡るのでした。





2014年9月15日月曜日

プロの仕業

~天地返しの前段階~

 仕事でもなんでも、周りの人から「さすがプロだね!」といわれるのは、気持ちのいいものですね。公認会計士の場合は会計や監査のプロだし、税理士であれば税金関係のプロです。ギター製作の匠もいれば、料理の達人もいます。おそらく、堆肥に関しては誰にも負けないという人もきっといることでしょう。


 あきらかにプロとアマチュアの差が大きいのは、例えば昨日初日を迎えた相撲ではないでしょうか。白鵬と学生横綱では、大人と子どもほどの違いがありそうで、全く勝負にならないでしょう。野球でも、プロ野球と高校野球では明らかにレベルの違いはあります。


 それに比べてゴルフの場合は、相撲や野球ほどに力の差はないかも知れません。女子ゴルフでもアマチュアの活躍がすごいし、私だってたまにはバーディをとります。でも、プロゴルファーは生きていくのが大変です。趣味で良かったです。


 音楽関係でも、プロとしてやっていくには才能だけでなく運も必要でしょう。アマチュアの中にも、才能のある人はたくさんいますし、楽器の演奏でもプロ級の人も多いです。


 私も大学2年生くらいまでは、シンガーソングライターになりたくて、音楽関係の事務所にデモテープを送ったりもしましたが、才能がなかったのが幸いしたのか、プロにはなれませんでした。公認会計士・税理士でよかったです。


 さて、村の集会所の外壁の板塗りが一段落したので、いよいよ村の広大な土地に手をつけなければなりません。最初は草刈りからです。


 7月初めに訪れたときは、Hさんが人に頼んでやってくれたらしく、きれいに草が刈られていたのですが、わずか2カ月ほどで、場所によっては人の背丈ほどの草が生い茂っています。でも、短期間でこれだけ草が伸びるということは、逆にいえば、土がいいということにもなります。人生前向きに考えることにしましょう。


 さて、覚悟を決めてエスペランサ村に出かけてみたら、村の中心部である梅並木の手前1000坪くらいのところがきれいに刈り込まれているではありませんか。しかも刈り払った草が、整然と重ねられています。これはプロの仕業に違いありません。



 そういえば先日、Hさんに今後の段取り等をいろいろ相談したのですが「草刈りをやってみて大変だったら、しっかりやってくれる人を紹介してあげる」ということでした。きっとその方がやってくれたのだと思います。


 我々にはとてもまねのできないような刈り方ですが、刈り取られた草の跡を見ていると、何となくイメージがわいてきます。これを見本にして、さっそくチャレンジすることにしましょう。



2014年9月12日金曜日

ウッドロングエコ

~外壁の板塗り~

 引っ越しした翌日はとりあえず荷物の整理をしましたが、二日目から本格的稼働です。村の集会所の外壁の板を、自分たちで塗ってしまおうというわけです。それでこそ、愛着のある集会所になるというものです。
 
 

 
 建設会社の資材置き場で作業をします。いわゆる塗装ですので、板に刷毛でペンキでも塗るような感じだろうと簡単に考えていたのですが、これがやってみるとなかなか大変でした。


 これが塗料です。「ウッドロングエコ」です。


  100グラムの粉末を19ℓの水に溶いて、かき回します。



 これを板に塗っていくわけです。板の裏表さらに木口まで満遍なく塗っていきます。


 なんだか板に水を塗っているようですが、これが少し時間がたつと古色に変化していきます。こんな感じ。不思議です。



 そして、塗った板を立て掛けて乾かすのです。


 さらに時間が経つにしたがって、深く味わいのある色に変化していくのですが、困ったことに乾くと、塗り漏れがはっきり表れてくるのですよ。

 仕方がないので、再度塗り直します。初日は堆肥研究家と二人で24枚でした。しかも、塗り漏れのあったものは不合格品として、翌日行ってみると、壁に立て掛けたままとなっていました。悔しいです。


 翌日は私一人で塗っていたのですが、やはり塗り漏れの斑が気になり、再度塗り直した結果、塗りあがったのはたったの14枚でした。う~ん、こんなペースでいのだろうか。


 塗装しなければならない板は、500枚くらいを想定しているので、このペースでは大変です。塗料の袋は小さいから値段はたかが知れていると考え、じゃぶじゃぶ板に塗りつけていきました。この日は40枚です。いいペースです。


 その日の夜、堆肥研究家が塗料の「ウッドロングエコ」の値段をネットで調べたようで、顔を青くして私のところに来ました。なんと、金額がひとけた違っていました。なんと、100グラムがこの金額?。うわ~!マジですか。


 もったいないので、翌日から刷毛に力を込めて、塗料を引きのばして塗ることにしました。手首に負担がかかります。また、屈んで塗るため腰に負担がかかります。肩が凝ってきます。体中、湿布だらけです。力を込めて塗るため体力の消耗が激しく、家に帰ってビールを飲んでしまうと、もうダウンでした。ふひゃ~、こりゃ大変だ。


 こんなペースでやっていたら、塗装だけで1カ月くらいかかってしまうでしょう。でも、他にもやらなければならないことは山積みです。そこで助っ人を呼ぶことにしました。以前、私がプレゼンをやった家の御主人です。事情を話して頼んだところ、快く引き受けてくれました。ありがたいです。


 いよいよ3人体制で出直しです。塗り方も試行錯誤を重ねて、だんだん慣れてきました。単純作業ですので、ラジオを聞きながら気を紛らせ、雑談をしながらワシワシ塗っていきます。50枚できました。そして翌日には60枚までたどり着きました。この際、塗料がもったいないとは言っていられません。


 そして、とうとうやり遂げたのです。この達成感といったら、ないですね。〝塗りあげ式〟をラーメン屋でおこないました。これで次のステップに進むことができます。


 板塗りで、かなり右の手首が鍛えられたので、もともとフェードボール打ちの私が、今日のゴルフではフックが多かったです。

 思わぬ副産物でした。



2014年9月10日水曜日

「整地・開墾編 第3幕 スタート」

~のきぜり~

 
 このタイトルは、いったい何なのだろうかと思うかもしれませんが、少しお付き合いを。


 早めにエスペランサ村の近くに仮住まいを始めたのですが、早いものでもう2週間が経過しました。予定では、12月10日に村の集会所が完成するので、その際また引っ越しをしなければなりません。

 以前、数百冊の本を古本屋さんに引き取ってもらったのですが、それでも今回、本だけで段ボール箱で120箱ありました。CD約2,000枚等、未開封のままの段ボール箱が、天井まで届けとばかりに山積みとなっています。4DKの部屋の二部屋が倉庫代わりとなっていますが、しょうがないです。


 引っ越ししてから2週間、ゴルフを2回やっただけで(実は、明日も明後日も・・・営業を兼ねてですけど・・・言訳ですが・・・)、ほとんど毎日駆けずりまわっていたので、ちょっと疲れました。今日は久しぶりの休息です。

 午前中に、やっとネット環境が整備できました。久々「越麻呂日記」も再開です。


 引っ越しをしてから優先的に済ませなければならないのが、公認会計士と税理士の登録変更です。公認会計士の場合はインターネットでやってくださいと言われていたのですが、税理士登録の変更は書類で行わなければなりません。このあたり、「単一会」と「連合会」の差ということでしょうか。それにしても、名古屋税理士会の登録関係の事務局の方には懇切丁寧に教えていただき、大変お世話になりました。ありがとうございました。


 さて、職業会計人としてこの地でやっていくためには、私としてはゼロからのスタートとなります。まずは事務所を構えなければなりません。いろいろ考えた結果、県庁所在地にある某事務所の一角を借りることにしました。エスペランサ村からは、ケートラ「越麻呂号」で約45分。通勤圏内です。


  一角といっても、事務所の廊下というか縁側というか、ほんのわずかのスペースです。でも、ゼロからのスタートですので、それでふさわしいではないですか。過去の実績は、すべて捨て去る」のです。


 弁護士が、軒先を借りるのを「軒弁(のきべん)」というのなら、私の場合は「軒先税理士」略して「のきぜり」です。いいですね。


 
 今日、村の集会所の建築現場に行ってきました。こちらも順調です。昨日は農機具の相談です。2台めの刈払い機の購入と、耕うん機の予約も済ませました。トラクターのカタログもいただきました。10月にはバックホーで地面を「天地返し」する予定です。


 いよいよ、越麻呂の挑戦「整地・開墾編 第3幕」のスタートなのです。