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2014年5月11日日曜日

六角は黄瀬戸だけだと思っていた

~同一のプロデューサー?~

 六角というと思い浮かぶのが、当然のことながら黄瀬戸であり、椿手のぐい飲みです。茶人好みと言われているようですが、茶人ではない私としても、一つは持ち合わせていたいものです。

 
 六角は、この2種類だけだと思っていたのですが、1996年の「緑青」という雑誌を見ていたら、織部の六角もあるということがわかりました。緑釉が上品です。また、「ちょく」という古本を購入して写真を眺めていたところ、ここにも総織部の六角が掲載されていたのです。そうか、そういうことだったのか。六角には3種類あったのですね。
 

 それにしても、織部六角はどのようなきっかけで作られたのでしょう。同じ東海地方で作られたとはいえ、窯の場所は異なります。それぞれ別の陶工が、同じ時期に同じように頭の中に六角形が浮かんだのだろうか。あるいはお互い情報交換でもしていたのでしょうか。
 

それとも、同じ六角ということは、プロデューサーが同一人物だったのかもしれません。その頃は、特許というか意匠登録制度などなかったでしょうから、六角黄瀬戸をプロデュースした人が、織部を作っている陶工に、「六角は作ってはいけんよ、マネしちゃいかんよ」とは言えなかったとも考えられます。織部の陶工も、「黄瀬戸に六角という面白いものがあるから、ワシらも作ってみようではないか」といったことなのでしょうか。
 

 いろいろ空想してみると面白いのですが、私は学者ではないため、学術的なことはあまり追求しません。写真でも見て楽しむことにするのです。