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2013年10月27日日曜日

奥ゆかしいはずの日本人

~なぜ「倍返し」がはやるのか?

 日本人はもともと奥ゆかしい民族で、何か言いたいことがあってもぐっとこらえてしまいます。特に東北の人たちは口数が少なく、嫌なことやつらいことがあったとしても、あまり感情的にはならず、胸の中にしまいこんでしまうのです。それは、震災後の被災地の方々の行動や表情を見ると明らかです。
 

 そんな日本人の美徳が崩れてしまっているのではないかと考えさせられたのが、半沢直樹を主人公とするテレビドラマです。「倍返しだ」という言葉がはやっているのだそうです。

 奥ゆかしい日本人は、「倍返ししてやる」と心の中で思っても、それを直接口に出すことは決してしません。でも、本当は言いたいのだと思います。自分は言うことができずに普段心の中にしまっていることを、ドラマでは実際に「倍返し」してやると口に出し、それを見事に実行してしまいます。その痛快さに気持ちがすっきりし、心の中で拍手喝さいを送っているのでしょう。
 

 このような社会現象を考えると、最近の日本人は、多くの人が知らず知らずのうちに組織から追いつめられているのではないでしょうか。理不尽なことで追いつめられ、仕返ししてやりたいと思っても、思うようにならない人たちが増えているのだと思います。
 
 追いつめられている人」が増えているということは、逆にいうと人を追いつめている人」も増えているということです。多くの人から「倍返ししてやりたい」思われている人」がいるということは、容易に想像がつきます。
 

 骨董の世界では、贋物をつかまされたら、売りつけた人は3倍返し」で返品を受けなければならないと、以前業者の方に教えていただきました。奥ゆかしい私は、たとえ今になって、以前贋物をつかまされたと気が付いたとしても、3倍返ししろ」とは言えないのです。


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