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2013年7月22日月曜日

資産除去債務

~人的資産会計と組み合わせてみる~


 今回は資産除去債務を取り上げます。でも「越麻呂日記」は、現代版徒然草ですので、真剣に勉強しようと思っている人は、以下を読まないように。

 さて、会計に携わっている人たちを悩ましているのが資産除去債務会計です。この基準に関しては、基準ができてから実務に適用となるまでの期間が比較的短かったような気がして、導入当初はいろいろ議論があったようです。何しろ見積もりの要素が多くありますからね。

 従来の固定資産の会計処理は、それを取り壊したり原状回復したとき、あるいはそのような意思決定をしたときに、除却に関する費用や必要な撤去費用を未払計上したり引当計上すればよかったのですが、資産除去債務会計基準が導入されてからは、新たに取得する固定資産も、将来除却するときに法令や契約で除却費用や撤去費用・原状回復費用が発生することが明らかな場合、それを見積もって固定資産に計上すると同時に資産除去債務として負債計上します。文章にすると長くなり、わかりにくいです。

 近い将来ならまだしも、10年や20年先の除却費用を正確に見積もることなどなかなか難しいですし、しかも割引計算まで行わなければなりません。見積もりの要素がかなりあり、従来の会計の感覚からすると、見積もり次第で金額が変わってしまうようなあやふやなものを、貸借対照表に資産として計上していいのかという古いタイプの意見もあるかと思いますが、これもIFRSへのコンバージェンスの一環だったのでしょうね。

 さてここでいきなりですが、人的資産会計を導入し、資産除去債務会計と組み合わせてシミュレーションしてみましょう。繰り返しますが、受験生は以下を読まないように。人的資産会計では、会社に勤める人を評価して資産計上します。職員の定着率の悪い会社(いわゆるブラック企業)は、いつやめてしまうかわからないので見積もりが難しいでしょうね。固定資産会計における撤去費用は、人的資産会計においては割増退職金ということになるでしょうか。仕訳します。



(借方)人的資産 ×××(貸方)資産除去債務 ×××


 もしかして場合によっては、次の仕分けが待っているかもしれません。


(借方)減損損失 ×××(貸方)人的資産 ×××


嫌ですな。


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