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2012年4月11日水曜日

古本で得る新しい知識

~OB一発分で一日が過ごせる~





 先日夜のNHKニュースを見終わった後、何気なくテレビをそのままつけていたら、歴史秘話ヒストリアが始まりました。見るともなく見ていたら「中原淳一」の特集でした。中原淳一といえば、連れ合いの部屋の作り付けの本棚にある膨大な量の古本の中で、ひときわ大きな存在感を誇っている本の表紙に名前が書かれているのを覚えていました。てっきり映画監督か何かと思っていたのですが、戦前戦後の雑誌「少女の友」「ソレイユ」の表紙に絵を描いていた人のようです。初期の作品は、竹久夢二の作風になんとなく似た雰囲気があるような気がしましたが、戦後に描く絵はだいぶ変わったようです。いずれにしてもこの時代の女性たちのあこがれの的だったようですね。本棚にはそういった昭和初期の雑誌がたくさんあるのですが、私とはちょっと趣味が違うので・・・


 休みの日などはジュンク堂をはじめ、あちこちの本屋に足を運んで、焼き物や骨董関係の本を買いあさっているのですが、興味のある本は大体購入してしまったため、最近物足りなくなってきました。それでも知識欲は全く衰えないため、貪欲に本を探しています。新しい本が発行されるのを待っていると、とても先に進めないため、しょうがないので過去に発売された本をネットで探すことにしました。


 アマゾンで検索して昭和50年代に発行された本を購入してみたところ、これが思ったよりきれいでよかったのです。なるほどこういう手があるのですね。便利な世の中になったものです。ネットでは飽き足らず、自宅の近くに焼き物関係の古本をたくさん置いてあるお店がないかどうかを調べてみたのですが、これがあったのですよ。早速車で駆けつけました。


 お店の中をのぞいてみると、その充実ぶりに驚いてしまいました。あれもほしいこれもほしい状態です。昭和40年代の発行で、固い箱に入って一冊8万円で売られていた大きな写真付きの限定本が、驚くほど安い値段で売られています。同じような本が他に何冊もありましたので、その中からとりあえず自分の興味のあるものだけ購入しました。


 雑誌関係も、これはもう申し訳ないくらい安い値段です。大切にとっておくための本ではなく、単に楽しみながら勉強するための本や雑誌ですので、こんなにありがたいことはありません。30冊ほどまとめ買いしてしまいました。


 例えば今手元にある「盃と徳利―酒はうまく古美術は楽し 小山富士夫編」は、昭和38年発行で定価は320円です。これが500円。500円といえば、お昼に食べる杵屋のけんちんうどん単品大盛りが680円ですので、一回のお昼代より安いではありませんか。私の使用しているゴルフボール、スリクソンのニューボール一個分です。なんとOB一発分で、一日中楽しめて知識を深めることにもなるのです。


 今まで古本はあまり購入しようという気にはならなかったのですが、自分が興味のあることを研究しようと思ったら、ここ1~2年の現代本よりも過去にさかのぼっていけば、何十年分の書物が山のようにあるということがわかりました。私にとっては大発見です。


 世界は広がるばかり。古本屋さんめぐりが当分続きそうです。