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2012年2月13日月曜日

力なき正義は無力なり!

~「ペンは武より強い」というけれど~




 先日新聞の本の広告を見ていたら「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」という、結構衝撃的なタイトルの本が出ていました。よく売れているのだそうです。内容の紹介文を読んでみたら、伝説の柔道家木村政彦や国民的ヒーローだった力道山のほかにも、大山倍達ジャイアント馬場などの懐かしい名前が出ていました。かつて格闘技ファンだった私としては、ぜひその本を読んでみようと思ったのですが、少年時代の思い出が壊れてしまうのではないかと思い、結局購入するのをやめてしまいました。


 年明け早々、梶原一騎の弟である真樹日佐夫が亡くなりました。そういったこともあったのか、ふと頭の中をよぎったのが「力なき正義は無力なり」という言葉です。確か大山倍達を題材にした漫画「空手バカ一代」にあった言葉だと思います。


 「力なき正義は無力なり」この言葉は、私の出身大学の大先輩が残した言葉「ペンは武より強い」と全く正反対の言葉ではありませんか。理想は後者で現実は前者か、あるいは国や置かれている立場、時代によってどちらが真実なのか異なるということなのかもしれません。


 どの番組か忘れましたが、たまたまテレビをつけてみたら「池上彰」のテレビ授業が放送されていました。なんとなく聞いていると、国によっては体制派に都合の悪いことをいうと、公開処刑される(確か70万人といったような記憶があるのですが)ところもあるようです。まさしく恐怖政治ですね。また、別の国では、処刑されないまでも、しょっ引かれて投獄され、強制労働に従事させられたり、あるいは然るべき人でも出てくるのでしょうか、無理やり思想を変えさせるような行為が行われているのだそうです。身の回りにゲシュタポや憲兵のような人でもいるのかもしれませんね。怖いですね。


 こんな環境で暮らしていたら、言いたいことがあっても押し黙ってしまいます。とても「ペンは武より強い」などとはなかなか言えないでしょう。気の弱い私なんかは、手足のしびれで歩けなくなり、耳鳴りで音が聞こえなくなり、不整脈で心臓が止まってしまうかもしれません。


 昨年アフリカで起こった民主化の動きは、今年さらに広がっていくのかどうかわかりませんが、いくら正義を振りかざしてみても、結局は武力がなければ弾圧されて改革はならなかったのだと思います。


 今年は世界各国で、指導者たちを選ぶ選挙が予定されていますし、交代も行われることでしょう。政治の世界も「数の力」が物をいうわけですが、その数は「正論自由」で獲得した数であってほしいです。