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2011年1月21日金曜日

公認会計士と税理士試験

~特別税理士はどのように考えるのか?~


 今年の冬は雪が多いようです。年末に実家の秋田に帰る際も、無事にたどり着くことができるかどうか心配していたのですが、ほぼ予定時刻に到着。改札口には二人の税理士が私たちを待ち構えていました。そのうちの一方の税理士は、あいかわらず怪しい雰囲気を醸し出しているのですが、今回は母親が身に着けていた指輪をループタイにして、首から下げていました。そして私に会うなり開口一番、「公認会計士は税理士試験の税法科目を通るべきである」ときたではありませんか。おお!越麻呂日記をさっそく読んでいてくれたのかとうれしくなったのですが、その話は後にして、とりあえずは会食の場へと直行です。


 ひとしきり世間話しをした後、話題はどうしてもそちら方面へと進んでしまいます。何しろこの税理士は、大学在学中に税理士試験の「簿記論」「財務諸表論」を1年で同時に一発合格し、翌年には税法3科目を一発合格するという離れ業を演じたバリバリの試験合格組なのです。当然のごとく「公認会計士が税務を行うのであれば、税法の試験を通るべきである」となるわけですね。そこで私は切り返すわけです。「では、特別税理士はどうなのか」と。私の父親も税理士なのですが、55歳で退職するまで税務署に勤務しており、私が高校2年生の時に、いわゆる特別試験なるものに合格して税理士となる資格を取得したわけです。それでも試験合格組にいわせると、「きちんと税理士試験に合格すべきである」となるわけですね。まさしく正論です。しかし当のご本人は、「特別税理士は特別だから一番偉いのだ!」などとわけのわからないことを言いながら、カキフライをカリカリ食べていたので、もうこの話題は切り上げることにしました。この道30年になろうとしていますが、この間特にトラブルもなく、いまだにコツコツ税理士業務を続けています。

 
 3年くらい前までならば、なにもこのような業界同士の大きな論争にはならなかったのでしょうが、最近公認会計士試験の合格者が多いため、税理士業界に流れ込む人が増えてくることが予想されます。その辺の危機感があるのも十分わかります。試験合格組の税理士は「税理士にも監査をさせるべきではないか」と言っていましたが、会計監査は公認会計士の独占業務であるため、そういうわけにはいきません。包括外部監査をやる機会は税理士にも開かれているのだし、政治資金規正法の監査もできるではないかと言いたかったのですが、これを監査だと思われても困るしなぁ。特に後者は、監査というものに対して世間の大きな誤解を生む可能性があるため、できれば監査とはいってほしくないのですけど、この話題はのちのテーマとして改めて書きたいと思います。