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2009年5月6日水曜日

どうしてこう3月決算の会社が多いのか

~監査法人は今の時期大忙しです~


会社の決算日はそれぞれですが、一般的には大部分の会社が3月決算を採用しています。決算が締まった後に財務諸表監査が始まるため、4月の中旬くらいから6月の中旬くらいまでは、一年で一番忙しい時期を迎えることになるのです。毎年6月下旬になると、特定の日に上場会社の株主総会が集中するのですが、株主総会をスムーズに終わらせたいという思惑があるのか、とにかく3月決算の会社が多くなりました。おかげで我々公認会計士の会計監査は大変です。連結・個別財務諸表の監査に審査、内部統制の監査・審査、有価証券報告書のチェック、報告会の資料作成等、株主総会が終了するまでは、ほっと息をつく暇もないくらいです。


その間は土日もゴールデンウイークも関係なし、来る日も来る日も残業する日々が続きます。特にGWは一年で一番いい季節で、ゴルフをするには絶好の日和が続くわけですが、この仕事をやっている限り、このいい時期にゴルフをするのはあきらめなければなりません。中間決算があったころは秋も忙しく、結局、会計士がゆっくりゴルフをすることができるのは、真夏の暑い時期か真冬の寒い時期しかないのだと観念していました。今は四半期決算なので、いったいいつ休んだらいいのだ。


私も以前は、どうせGWといったところで、どこもかしこも人人人で疲れるばかり、こんな日には仕事をやるに限るなどと自虐的に笑いながら、せっせと審査資料などを作っていたものでした。そして、夜家へ帰って「今日はどこそこの高速道路のインターチェンジは50キロの渋滞でした」などというテレビのニュースを眺めて、「せっかくの休みなのにかわいそうにね」と同情することで、自分を無理やり納得させていたわけですね。
この時期は、会計士だけでなく、会社の経理の人たちも大変です。最近は決算発表の早期化が叫ばれているし、会社が作成しなければならない資料も年々増える一方です。それに会計士の監査対応もしなければならないし、しかも期限のある仕事が多いため、時間に追われるし、ミスがあって会計士に指摘されると、決算財務報告プロセスの内部統制がどうのといわれてしまうため、ストレスも相当なものだと思います。大部分の会社では、経理の方たちはまじめな人が多いので、プレッシャーに負けずにがんばってくださいと、ついエールを送ってしまいたくなります。


我々会計士の立場からは、できるだけ決算月が分散してくれると仕事が一時期に集中しなくて助かるのですが、そんなことを言っても会計士の都合で決算月が決まるわけでもなく、今後もますます3月決算の会社が増えていくような気がします。
それでは一体なぜ3月決算の会社が多いのでしょうか。暦年は1月1日から12月31日までですので、それにあわせたほうがいいような気がしますが(現に外国の会社は12月決算が多い)。流通業界などは、2月がちょうど冬のバーゲンセールが終わって、衣料品が冬物から春物への入れ替え時期にあたるため、在庫が少なくて棚卸しが楽であるという理由で、2月決算が多いようです。日本で3月決算会社が多いのは、やはり国家予算のからみがあるからでしょうか。学校の新学期が始まるからというのは、どう考えてもあまり関係がないでしょうね。
四半期決算が始まるまでは、会社の決算がばらついていたら一年中忙しいことになるので、逆に集中してくれた方が終わった後は楽になっていいではないかと考えていました。その方が7月・8月に夏休みをゆっくり取れるので、それはそれでメリハリがあってよかったわけです。今は夏でさえも、お盆休みの頃までは四半期レビューで忙しくなってきました。代休・有給で2~3週間夏休みが取れた当時が懐かしいですね。